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No26. 第8章 会社の整備

2.しくみの整備

投稿日:
投稿者:
大西秀憲
前号では「テクノスジャパンCIの主張」と、主要製品である離床センサー「3つのポリシー」について書いた。
続いて、もう少しだけ「事業環境の整備=会社のしくみ整備」について書く。

技術開発型製造業において先ず最初に必要なのは技術力と製造力である。
まして、新規に創業するベンチャー企業では、これら直接部門以外の他の部署は必要ない。
先ずモノを作って、それを売って、金を回収して、やっと会社は生きられるのである。
・・・飯を喰う金も無いのにルールや管理など全く必要ない!
しかし、やがて安定した収益が見込めるようになると、間接部門とそのスタッフが必要になってくる。
要するに会社としての体裁を整えること=整備が必要となるのである。 ・・・これは必然である。
テクノスジャパンも世の習い通り、「会社の整備」が必要となる時期がきた。
・・・但し、この時期は誰も教えてくれないので、自分が感じるしかないし、機会を逸したら手遅れになる。

私がその時期を感じたのは本社新社屋を建てた直後(平成21年夏)であった。
(新社屋竣工パーティに各拠点を含め全社員が集まったが、その数を実際に見て「時期は今だ!」と思った)
「会社の整備=しくみの整備」には金がかかる。
しくみ=人の事であり、要するに「人材とその人件費」である。
また、整備はほとんど全てが間接部門であるから、直接的には金を生まない部署と人材である。
だが会社が創業スタイルから脱皮して成長スタイルになるためには絶対不可欠である。
もちろん、仕組みを作ってもすぐにスタイルは決まらない。 ・・・とにかく時間がかかるのである。

ファブレス・製造メーカーとして必要な体裁とは何か?
(幸い私はサラリーマン時代に「メーカーの経験」が永かったので、何が必要かが理解できていた)
体裁を整える=会社の整備=しくみの整備、と云っても過剰はダメで「身の丈」に合っていなければならない。
そこで次のしくみを作ることにした。
詳細は省略するが、その概要を説明する。

1.品質保証室
手作り1品料理製品は論外として、量産製品の特徴は「均一性」であり品質管理でこれを実現している。
要するに作り込みの標準化によって品質保証をしている。
しかし、創業スタイルの段階では品質管理部門は無いのが普通である。
では、ノーチェックで出荷しているのかと云うと、そうではなく一応「検査」をして出荷している。
しかし、それは検査(テスト)をしているだけでデータを元に作りこみの管理をしているのではない。
弊社も同じであった。
今まで、製造と販売に夢中で走ってきたので品質管理に目を向ける余裕は無かった。
しかし、いつも頭には「品質保証」の姿があった。
そこで平成22年の経営方針で「品質保証室」を打ち出し、同年7月1日より同室をスタートさせた。
弊社は「製品標準化と在庫販売」を基本とするため製品の品質保証は不可欠である。
デイリーの品質データ把握は言うに及ばず、製品の初期故障、経年劣化、顧客への影響、環境問題等々。
製品の信頼性を確かなものにして顧客に安心感を与え、企業イメージを高めるのが品質保証室の役割である。

2.お客様相談室
企業は機能別の役割分担(組織)で動いているが、会社が成長するとどの部門にも属さない案件が発生してくる。
これはどんな企業でも同じである。
例えば、個人顧客や一般市場からのクレーム、製品に対する質問、製品取扱いの疑問・質問など多岐に亘る。
販売の問題なら営業部門が対応し、全般的な諸問題は総務部門がこれまでは対応してきた。
しかし、これらを「専門的かつ広範囲」に独立して行う必要から各社は「お客様相談室」の設置が一般的となった。
弊社も遅らばせながら平成22年の事業方針で同室の設置を打ち出し、同年11月「お客様相談室」を開設した。
弊社の顧客は最終的にはエンドユーザーであるが、流通チャンネルの販社も当然顧客である。
また、行政や研究機関への対応も担うし、更には反社会勢力への対応も担当する。
よって、営業部門や製造部門などとは一定の距離をおいて「顧客本位」のスタンスで対応する必要がある。
しかしながら当然、基本的には「企業を守る」精神をしっかりと持っていなければならない。
運営には多くの費用が必要となるが、企業イメージと製品の信頼性向上(安心感)のため必ず役立つ部門である。

3.生産管理
日本の国内において中小企業・製造業の数は約50万社である。
その製造業の中で自社の生産管理をやっていない会社はないだろう。
生産管理は企業の黎明期が終われば必ず必要になる機能であり、難しい仕事である。
(なぜ難しいかと云えば、上手く行って当たり前、誰も褒めない上、もし滞ればボロクソに責められるからだ)
弊社はファブレスメーカーの形態を採っている。
ファブレスは生産管理が命であり、そのサジ加減は絶妙仔細かつ神がかり的能力が求められるのだ。
生産は全て外注のため、出荷増減の緊急対応が自社では全くできない。
今後売れるであろう製品を推定し、その部品調達と加工を読んで手配する仕事である。
・・・口で言うのは簡単だが、その難しさは分かって頂けると思う。
余裕を持って多くを手配すれば「在庫増」となって経営にインパクトを与えてしまう。
弊社は私も含め掛け持ちで生産管理(もどき)をやっていたが「ある日ふと」限界が来たと思った。
そこで「生産管理専門」の役割を持って仕事を担当する社員配置を決断した。
これは誰でもすぐに出来る仕事でなく、製造業でしかも生産管理の経験が必要で、かつ公明正大な人格が要る。
・・・幸運なことに、ピッタリの人材がグッドタイミングで見つかった! ・・・私は本当に運が良いと思う
  彼が業務を担当して約2年、機会損失となる欠品が見事に解決できるようになった。
生きた「生産管理」は、本当に重要であり経営に大きく寄与する。

4.業務グループ
企業の黎明期において業務処理(事務処理)は、見よう見まね・手探りで始まる。
やがて、そこに極めて処理能力と勘が良い社員が現れ「職人名人技」で業務全般を素晴らしくスピーディにこなす。
会社は、このようにして発展する。
・・・この場合、多くの会社では電話受付から総務から製品説明、ひいては接客まで360度担当する事が多い。
しかし、「名人社員」個人の能力に頼るのは、あるときから限界がくる。
それは売上が伸びて処理量が増大するため、一人では処理が不可能となり、複数の「名人」が必要となる為だ。
ところが名人はそんなに居ない。
そこで業務を標準化して「勘や名人技」に頼らず、ごく普通の社員で楽々と処理できる「システム化」が必要となる。
弊社もこの時期が来たと、あるとき「ふと」思った。
そこで、営業事務を替えて「業務グループ」を作り、業務全体を仕切る「責任者」を配置することとした。
また、一般事務から開放して業務に専念するように改め、ツールとしてのEDP化を整備した。
このようにすると、製造・売上の業務と会社共通業務が分離できる。
将来、売上が伸びることを想定して、それに充分対処できる体制作ったのである。

以上のように、「黎明期から成長期」へ移行するのに必要となる「会社のしくみ」整備のポイントについて述べた。
これは弊社の特異な話ではなく、どこの新規起業会社でも(製造業なら)同じような道を辿ると思うのである。

以下次号 

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