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社長のコラム『風の見える朝』

No92. 賞味期限と食糧危機

投稿日:
投稿者:
大西秀憲
食品の賞味期限を書き換えたり、期日を誤魔化したとして多くのメーカーが糾弾された。
本当はもっと短いのだが、それを先の長い日付に表示するのが、その手口である。
また、日付ラベルを剥がし、新たに作成した「新ラベル」を貼付ける方法もある。
更に、本当は「廃棄処分」しなければならないお菓子を、正規の商品として販売していた。
まさか!と思うような有名メーカーが行っていたので国民は非常に驚いた。
そして、如何なる理由からか、連鎖反応のように次々と露見していった。
以上の事柄は連日TVニュースで、微に入り細に亘って報道されたので十分ご存知だろう。

多くの国民(消費者)は「けしからん!」、「騙された!」と思っただろうか?
私は直接多くの人の「正直な感想」を聞いたことがないので所謂「世論」が分からない。
一般国民に分かるのは「TV番組」によってである。
TV番組の中では、ここぞとばかり、寄って集って「メーカー」を徹底的に叩く。
全国民は、これほど怒っていると「街角の声」を流す。
訳の分からない「コメンテーター」も、言いたい放題である。
  ・・・とにかくマスコミは正義の味方を気取っている。
ここで極素朴な疑問なのだが、本当に皆が「怒っている」のだろうか?
少なくても私は期日改ざんニュースを見ても怒る気分にならない。

私は現在の「賞味期限」扱いは間違っていると思っている。
それは次の点においてである。
1.賞味期限の定義と根拠は本当に正しいのか? ・・・マスコミは検証したのか?
2.賞味期限を過ぎると本当に食えないのか? どうなるのか?曖昧である。
3.「もったいないの心」と「捨てる」行為をどのように教えるのか?
4.食べ物をゴミとして「どんどん捨てる」行為が本当に正しいのか?
5.その食べ物が食えるか否か?を一律に「数字」だけで評価できるのか?

日本は食糧の多くを「輸入」に頼っている。
要するに、外国人が作った食糧を食って生きているのである。
世界の先進国の中で、日本の食糧自給率はダントツの「最下位」である。
それはカロリーベースで40%、実際には36%とも38%とも云われる低さである。
他の先進国は、一番低い英国でも61%で、ドイツが99%、アメリカ122%。
フランスは121%の高さである。・・・2001年の数字
また、人口1億人以上の主な国の「穀物自給率」を見るとゾッとする。
ブラジル87%、中国95%、ロシア106%、インド107%、アメリカ127%であり
日本の自給率は何と28%の低さである!
世界の食糧問題(食糧危機)が起きると、日本はどうするのだろうか?
金を出しても売ってくれない時代が必ず来る。

その理由は、はっきりしている、それは世界の人口爆発である。
2007年12月末で世界の人口は「66億5000万人」である。
今から約200年前、1800年には世界の人口は10億人であった。
そして1900年には20億になった。つまり10億増えるのに100年かかったのだ。
それから後の増え方が凄まじい。
1960年=30億、1974年に40億、1987年に50億、そして1999年に60億。
最近では僅か12年で10億人増えているのだ!
これが益々加速していくのである。
先進国が増えるのではない、途上国や未開発国が爆発的に増える。
日本は、このような国や地域から食糧を輸入している。
あと30年しない内に、間違いなく世界の人口は100億人になる!
これは凄まじい数字である。
従って、間違いなく「食糧危機」が起きるし、食糧を巡って「戦争」も起きるだろう。

一方、もっと凄い実態がある。
それは日本人の「食糧廃棄」である。
一般家庭から1200万トン、食品産業から1130万トン、合計2300万トンの廃棄だ!
1130万トンの廃棄は「世界の食糧援助の総量に匹敵」する。
要するに、凄まじい食糧を「残飯」として無造作に捨てているのだ。
「宴会場」では16%、「結婚披露宴」では何と24%の食べ物が廃棄されているのだ。
「コンビニ」や「デパ地下」の店舗から大量に廃棄される「賞味期限切れ」売れ残りの弁当。
そして惣菜。まだ十分食べられるのに、惜しげもなく「ごみ」として捨てられる。
世界の人口は前述の通り約66億人であるが、約8億人は食糧が乏しく栄養不足である。
この中には、満足な食事どころか、水すら飲めない最貧国が数多く実在するのである。
食糧自給率の低さと裏腹に、日本人はあまりにも飽食に慣れ切って、傲慢ですらある。
このような日本の特殊性が世界の中で、いつまでも続く訳がないと思う!

マスコミが寄ってたかって叩く「賞味期限切れ」だが、誤解が甚だ多い。
これを正しく理解している人がどれほど居るだろうか?
食品衛生法では「品質保持期限」があり、JAS法では「賞味期限」を用いる。
また概ね5日未満の生鮮食品の類には「消費期限」を用いる。
例えば、「一度販売した食品を回収した製品の状態を検査して、賞味期限を付け直すことは―
直ちに食品衛生上の問題を生じるものではない」と云う見解がある。
元々、賞味期限は製造者が製品の統計的なバラツキと十分な余裕を考慮して決定するものだ。
つまり、製造者が正しいと判断すれば、日付を付け直すことは法的な問題はない。
道義的な問題だけを取り上げ、情緒的に世論を煽り立てるだけのマスコミは正しいだろうか?
その結果、業績不振や倒産を恐れる食品メーカーは、渋々「期限切れ」を大量廃棄するのだ。

家庭でも同じである。
冷蔵庫でうっかりして期限が1日過ぎた場合、躊躇なく捨てる人は多い。
一日や二日の期限切れなど、何の支障も問題もない。
しかし、日付けの数字だけを見て、数字だけで捨てている!
ここに、悲しい日本人の「潔癖性」がある。
賞味期限と食糧自給率は、これからの日本に突きつけられた重大な国家問題である!

「過ぎたるは、及ばざるが如し」の諺がある。

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